じんせいだね

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野良犬に追いかけられている近所のおじさんを助けたらフェニックスが貰えた

みなさんは『ポケットモンスターサン・ムーン』をプレイしたことがあるだろうか?

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わたしのポケモン人生は『ポケットモンスター金・銀』から始まり、全シリーズを一応プレイし、一応殿堂入りまではしている。前述した『ポケットモンスターサン・ムーン』も一応プレイし、一応殿堂入りまではしている。

ここでしつこいくらい「一応」と書いているのは、「ポケモンを"クリアした"…?じゃあもちろん図鑑は完成してるんだよね!あ、厳選もしてるよね?最初のポケモンはメスが出るまでリセマラ繰り返すよね?何回対戦した?レートいくつ??」などと言われないためである。わたしは最初のポケモンは1回で選ぶし、そのポケモンが「きまぐれ」の性格だとしても、「うわ性格補正ないじゃんリセット」なんてしないし、むしろ「きまぐれなの!?かわいいね!?ついさっきまで懐いてたのにいきなり不貞腐れはじめて、でもお菓子あげたらちょっと照れたりするの!?それでまたすりすりしてきたりするの!?アーンかわいいね〜〜!!」とか思って一層愛着が湧くのでめちゃくちゃ大切にする。

その結果ポケモンガチ勢の友人とバトルしたときはただ「めちゃくちゃ可愛いから」という理由だけで個体値などは全く考えずただただ溺愛していたブイズ(イーブイの進化系8種の総称)を繰り出して一匹一匹がほぼ一撃で倒されていくのを遠い目で見つめていた。そしてポケモン図鑑は一度も出来ていない。ダメトレーナーである。

 

幼い頃はただただ「わーい!ぽけもんだー!すごーい!かーわいー!」ぐらいの感情でプレイしていたと思う。それがだんだんと「自分の選んだ可愛いポケモンと一緒に旅をして、一緒に強くなって、協力して強敵を倒すのが楽しい。」ぐらいの感情になり、やがて「うわ〜、3Dすげえな」「なんだこの演出…」といった、ポケットモンスターというコンテンツそのものではなく、ゲーム機やグラフィックの進化も込みで感動していた。

 

しかし、今回の『ポケットモンスターサン・ムーン』で湧き上がった感情は今までのそれとは異なっていた。

 

「わりと真剣にポケモンの世界に行きたい」

 

これに尽きる。

理由を簡潔に述べるとこうだ。

 

「みんなやさしいから」

 

これに尽きる。

急に引っ越してきたのにお隣にはなんとポケモン博士がいるというラッキーエンカウント。そしていくら前世で徳を積めばそれほどの人脈を築けるのかというくらいに恵まれた人との繋がり。アポなしで知らない人の家に土足で立ち入っても誰も通報しない。みんな親切すぎる。そして可愛いポケモンたちと一緒に冒険し、戦うだけでお金が貰えまくる。お金持ちのトレーナーと勝負を重ねれば、1日で正社員の月収を超えることも可能だ。家に帰れば「頑張ってるわね」と母親が優しく迎え入れてくれる。さらに『ポケットモンスターサン・ムーン』では、めったに人になつかないような伝説のポケモンが引っ越し初日から自分を気に入ってくれるという、お前この世界にいくら積んだんだよと突っ込みたくなるような出来事も起こる。

 

しかし本当にやさしいせかいなのである。『ポケモンやさしいエピソードランキング1位』は、お隣に住む博士から最初のポケモンとして、いわゆる御三家の中の一匹を貰う時であると思っている。

ポケモンのゲームの世界では、主人公を含めたその一家は舞台となる地方に引っ越してきたという設定で物語がはじまる。そこでお隣の博士に挨拶に行きましょうと母親に言われ、お隣にいくと留守である。探していると草むらから「助けてくれ!」と言われる。行くとお隣さんが野生ポケモンに襲われており、いや絶対お前もこれ取れるじゃんという距離にあるモンスターボールの中から一つを選び、そのポケモンで戦ってくれという要求をされる。見事勝利し、お礼にそのポケモンを頂戴する。

 

シリーズによって若干の違いがあるのと、全てわたしの記憶で書いているので多少間違いがあっても許してほしいが、とりあえずここまでが超序盤である。これを読んでなにも違和感を覚えなかった方々、もう一度、後半の、本当に後半の部分をよく読んでほしい。

 

お礼にそのポケモンを頂戴する。

お礼にそのポケモンを頂戴する。

お礼にそのポケモンを頂戴する。

 

ゲームを進めて行くとわかるが、最初に貰うポケモンというのはその後野生では一切出現しない。もう一度言う。

一切出現しないのである。

どんなに草むらを歩いても、どんなに波乗りしても、どんなに釣竿をぶら下げても、どんなに洞窟を探索しても、一切出現しない。主人公が殿堂入りしようとも、チャンピオンになろうとも、「うっわー!すっごーい!つよいんだね!ぼくも仲間になりたいなー!」なんてひょこひょこ出てくるわけでもない。完全に、一切出現しないのである。

 

この理由を調べてみたが、「いわゆる伝説のポケモンと同じ部類なのではないか」という考察にたどり着いた。これを元にすると、最初に貰うポケモンは伝説のポケモンということになる。

 

これを現実の世界に例えるとどうなるか、みなさんはお分かりだろうか。

いわば「フェニックス」なのである。伝説の不死鳥なのである。

フェニックス - Wikipedia

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フェニックスというのは現実の世界では一切出現しないだろう。

もう一度言う。

一切出現しないのである。

どんなに茂みを歩いても、どんなに航海に出ても、どんなに釣竿をぶら下げても、どんなに洞窟を探索しても、一切出現しない。主人公が大手企業から内定をもらおうとも、総理大臣になろうとも、「其方は強い。我が力になろう。」なんてひょこひょこ出てくるわけでもない。完全に、一切出現しないのである。

 

「野良犬に追いかけられている近所のおじさんを助けたらフェニックスが貰えた」なんて1度も聞いたことがないし、多分今後も一生聞かないと思う。あらゆる可能性を考慮したとしても、その存在すらも伝説の生物を謝礼として渡す近所のおじさんは存在しない。そして主人公はフェニックスを相棒として迎え入れ、フェニックスと一緒に旅をする。考えてみてほしい。自分がポメラニアンを散歩させている途中、フェニックスを連れて歩いている少年とすれ違ったらどう思うだろうか。

 

「勝負だ!」などと言ってくるたんぱんこぞうだって、主人公のフェニックスを見たらおそらく勝負どころではない。たんぱんこぞうの相棒はかわいい毛虫だ。それに対してこっちはどうだ。フェニックスである。伝説の不死鳥である。

「ここは俺を倒してから行くんだな!」などと言ってくる敵キャラだって、主人公のフェニックスを見たらおそらく勝負どころではない。敵キャラの相棒は目つきの悪いコウモリだ。それに対してこっちはどうだ。フェニックスである。伝説の不死鳥である。

「やっとここまできたね。」などと言ってくる歴代チャンピオンだって、主人公のフェニックスを見たらおそらく勝負どころではない。歴代チャンピオンの相棒はわりとどこにでもいるデカイ鳥だ。それに対してこっちはどうだ。フェニックスである。伝説の不死鳥である。

 

 

もはや、主人公はお隣さんからフェニックスを渡された時点で最強であり、チャンピオンなのである。